陽だまりの子

Child In The Sun

005. 道路

薬を飲んでいても、衝動が止まらないときがある。目の前の車列に線路に、自分の魂が飛び込んでいって粉微塵になる瞬間が見える。私の体はここにあるのに、私の魂が目の前で機械に挽かれて内臓を曝け出して、痙攣して死んでいくのが見える瞬間がある。

自分の体の中など、見たことはないのに。魂の存在など信じていないのに。私の脳味噌が創り出した幻が目の前で血を噴き出して死んでいる。私の脳味噌はここにあるのに、ここにあるのに。目を閉じず、ここにいる私は目の前の死体の自分をじっと見つめている。じっと見つめている。眼の乾きに気づいて、自分がまだ死んでいないことを悟る。私が車列に線路に飛び込んでいくはずのないことも悟る。私は臆病者だ。魂の存在を信じていないのではない。こうして何度も死んでいく魂を自分の内奥に求めることのできない臆病者だ。

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