陽だまりの子

Child In The Sun

046. SOS

土砂降りの雨、聴こえるのは窓に吹きつける雨音だけ。私は一人で部屋の中にいる。服は全部脱いでしまって、身につけているものは何もない。灯を消してしまったから恥ずかしくはない。私のほかに誰もいない部屋で、恥ずかしいなど本当は感じないことなのだけれど、脱ぎ捨てたまだ温かい服を蹴っ飛ばすと、絹を裂くように叫びたくなった。

雨の音が激しくて、生の肌に雨粒が当たる心地がする。肌がどんどん冷えていく。面白いので、そのままにしている。今日は夕方から何も食べられなかった。口にしたのはわずかな水分だけ。口の中ががさがさに乾き、舌で上顎を舐めまわしたって徒にくっつくだけ。笑うことだってできない。

秋の雨はうら寂しい。私は一人で裸のまま、眠りにつく。