陽だまりの子

Child In The Sun

036. プラネタリウム

私の意志の力は案外弱くて、幻惑に任せて私はもう倒れてしまう。自分がこんな朽木のように倒れるなんて考えもしなかった。ああ、このまま朽ちてしまうのは嫌だ。朽木となってもせめて流木となって波間に漂い、いつか浜辺に打ち上げられるまでずっと空の下にいて、私はずっと息をしていたい。ああ、でもこの海に浜辺はあるのだろうか。空を飲み込む水平線の上に広がる無数の星は真実の星なのか。私は閉ざされた狭い世界で右へ左へ漂うだけで、何も見ず、何にもたどりつかず、こうして朽ちていくだけなのか?