陽だまりの子

Child In The Sun

青鈍色の経血は

心臓が肺の間からすべりだし
胃にのしかかり肝臓をつぶして
腸をかきわけ
足の間から転げ出る
青鈍色の経血は
生命になり得なかった

心臓を失った私は
内臓をひきずりながら
その心臓を片付ける

汚穢はポリエチレン
血はビニール
燃え残るのは有害なかさぶた

私は汚れた股のまま
まだ温かい大地に
座りこむ

目は覚めて
こうして息をしていても
血の通わぬこの体は
青鈍色に腐ってゆく

青鈍色の経血は
生命になり得なかった