陽だまりの子

Child In The Sun

063. No. 1

「どんな自分になりたいですか」「憧れていた人は誰ですか」「尊敬する人物はいますか」ここ数年でこういった問いを繰り返し受けてきた。私もいつも答えに窮す。

血液型占いもある。几帳面なA型、マイペースなB型、二重人格のAB型。B型の人間とは不思議と馬が合うが、B型の人間になりたいとは思わない。星座占い、星占い、名前の画数、出身地。生まれた日時と血液の蛋白質で、私はどこかにいつも分類される。その分類された私から、別の分類された私に変わったとしても、特に違いがあるようには思えない。

占いや肌の色、血液、名前で分類されること、それに成績をつけられること、それには特に違和感はないが、それによって違う自分に変わってはいけないと制限されているようで、それがたまに不満なのだ。

子供なのだろう。私はいつも不満を口にしている。誰かになりたいとか、誰に憧れているとか、そんなことはどうでもいいじゃないか。私は気紛れで我儘で自分勝手だ。それだけはいつも変わらない。だから、誰に憧れるとか誰を尊敬するとかも私の気紛れと我儘で自分勝手に決められることだ。自分の気紛れも我儘も、私は自分で抑えられない。それもまた不満なのだ。それは、私の不満症のためだ。私はいつも不満なのだ。

今、理想形の自分を問い詰められたら、「不満を感じない人」と答えるだろう。そうして、答えてしまった自分にまた不満を覚えて堂々巡りを繰り返すのだ。